2022 年 3 巻 J2 号 p. 268-276
交通系のオープンデータの活用方法を検討するため,データが公開されているイングランドの交通データのダウンロードを行った.活用の一方法として短時間渋滞予測に着目し,イングランド南部で比較的渋滞しやすい場所を選んでAutoML のPyCaret で渋滞の予測を行った.本研究のモデルは,現状がそのまま継続すると仮定した予測や曜日・時刻だけを入力変数としたモデルよりもわずかに高い性能を示し,機械学習による渋滞予測の改善が可能であることを示した.一方,同じ場所でも進行方向によって現状維持モデルの予測性能が大きく変わり,それに伴って機械学習モデルの性能にも大きな違いが見られた.機械学習による渋滞予測の性能を比較する場合にはベースラインとなる予測を定めてそれに対する性能の向上を示す必要があると考える.