2022 年 3 巻 J2 号 p. 543-550
本論文では,予測誤差補正を導入した歩行軌跡予測を提案する.具体的には,歩行軌跡を入力とした2つの予測モデルを並列に使用することで,予測の正確度および精度の向上を目指す.2つの予測モデルではそれぞれ,歩行軌跡から暫定的な位置座標の予測と位置座標の予測に含まれる予測誤差の予測を行う.最後に2つの予測モデルによる予測を足し合わせることで,本手法における予測結果を算出する.2つの予測モデルはLong Short-Term Memory(LSTM)により構築する.これにより,歩行軌跡に応じた補正が可能となり,予測の正確度と精度の向上が期待できる.本稿では,ドローンで撮影した映像から得る歩行者の位置データを使用した実験を行った.実験の結果,提案手法により予測の正確度および精度の向上を確認できた.