2022 年 3 巻 J2 号 p. 714-723
我が国では,砂防施設のストック効果を最大限に発揮させるため,定期点検が実施されている.しかし,現状では,点検員が目視によりひび割れなどの損傷や劣化を確認するため,多大な労力と危険が伴う.こうした背景の下,国土交通省では,点検員の負担軽減を目的として,UAVを活用した安全かつ効率的な点検手法の確立を目指している.しかし,UAVで砂防施設を撮影した画像から自動的にひび割れ箇所を 検出する手法は,未だ確立されていない.そこで,本研究では,既存の画像分類モデルやデータセットにより構築したモデルを用いて,ひび割れ箇所をヒートマップにより可視化する手法を提案する.そして, 実証実験を通じて,提案手法の有用性を評価した.