2022 年 3 巻 J2 号 p. 724-731
2050年カーボンニュートラル達成へ向け,太陽光発電活用の機運が高まっている.一方で,太陽光発電は天候に左右されやすく,発電量と相関の強い日射量の正確な予測が求められる.日射量の予測にあたりMSMなどの予報値が用いられるが,その精度は時空間的に異なるため,これを踏まえた発電計画を策定することで,インバランス発生による発電事業者の経済的リスクを避けることができる.
本稿では,2017年2月にMSMの予報モデルが改良されて以降のMSM日射量データと全国の気象台日射量データの比較を行い,夏季には過小評価,冬季には過大評価など,モデル改良以前のデータと同様の傾向を確認した.また,MSM日射量データから気象台日射量の予測を行い,予測モデルの特性による予測値とMSM日射量データの違いと,MSM日射量データが予測値に与える影響を明らかにした.