2022 年 3 巻 J2 号 p. 755-763
昨今,個車の走行履歴や挙動履歴を把握できるプローブデータを活用した渋滞や事故の対策が推進されている.現在は対象路線単位での交通量や旅行速度の分析が主たる用途であるが,走行車線レベルでのミクロな交通分析にプローブデータを適用できると,より高度な道路交通分析が実現できると考える.そこで,本研究では,プローブデータを用いて走行車線を推定するために,データの特性を分析し,走行車線および車線変更の有無を推定する手法を考案した.その結果,加速度の変化に着目して機械学習を適用すると,高い精度で車線変更箇所を推定できることを確認した.さらに,車線番号と車線変更箇所の推定結果を組み合わせると,より信頼性の高い走行車線を推定できる知見を得た.