2022 年 3 巻 J2 号 p. 962-969
近年わが国では少子高齢化や人口減少に伴い,地域を問わずあらゆる場所で空き家が増加している.空き家増加の対策として,国や自治体によりその利活用が推奨され問題解決が図られる一方で,利活用後の需要や持続可能性に関しても十分に検討を行う必要がある.そこで本研究では,埼玉県比企郡鳩山町の人口構成から空き家の利活用時の用途を選定する.その後修正ハフモデルを用いて選定した空き家利活用時の用途を持つ既存施設に対して対象地域内における吸収率を算出する.さらに吸収率の低いエリアの空き家を適切な用途に利活用した際の対象地域内における吸収率を算出する.これらの分析で得られた成果をそれぞれ GIS 上に示したことで,各利活用途のエリアごとの吸収率の見える化に成功し,地域における空き家の適切な利活用方法について示唆を得ることができた.