2022 年 3 巻 J2 号 p. 954-961
現在,我が国の下水道普及率は2020年度末で,80.1%,全国下水道管渠の総延長は2020年度末で約49万kmとなり,膨大なストックを抱えている.また,標準耐用年数である50年が経過する下水道管渠の割合は今後急増する.現在,下水道管渠の点検は目視及びテレビカメラ調査によって行われているが,2018年度の調査延長は目視とテレビカメラによるものとを合わせてわずか6686kmであり,このペースでは全下水道管渠を一巡調査するのに72年もかかり,適切な維持管理が行えない.そこで,本研究では国土交通省・国土技術政策総合研究所(国総研)が公開している管渠劣化データベースを活用し,深層学習手法の1つである1次元畳み込みニューラルネットワークによる緊急度分類モデルを構築した.