2023 年 4 巻 3 号 p. 170-178
埋め立て地や軟弱地盤などにおける沈下量の将来予測は重要な課題であり,多くの手法が提案されている.本研究では,データ駆動型のアプローチのひとつであるDynamic Mode Decomposition with Control (DMDc)を用いた沈下量の将来予測の可能性調査を行った.一般に計測されたデータには欠損やノイズが含まれるため,まずこれらの補間やノイズの除去が必要である.ある領域の40地点の実測沈下データについてガウス過程回帰やHPフィルタによりノイズ除去と欠損の補間を行った.ノイズを多く含んだデータとあまり含まないデータを対象にDMDcによる沈下の予測を行ったところ,適切に低次元化を行った場合には両者にほとんど差が現れないことを示した.