2024 年 51 巻 5 号 p. 438-440
聖隷福祉事業団は、「隣人愛」を基本理念に1都7県において保健・医療・福祉・介護の4サービスを柱とした、総合的なヒューマンサービスを提供する複合体である。
2019年の新型コロナウイルス感染症の拡大により、浜松市も他の都市と同じくさまざまな産業で大きなダメージを受け、健診事業においても利用者が半減した。その中で感じた事は、「地域産業が元気でなければ、真の健康=健「幸」は生まれない」であった。この考えを行政や団体に発信することにより、賛同いただいた市や地元の団体とともに、予防医療のノウハウを活かしながらも、地域活性化に向けて、従来事業を飛び越える様々な事業を推進した。
事業化の中で基軸としたのは①エビデンスに基づいた地域課題の解決②地域や未来を担う人財との連携③共感を呼び、誰もがハッピーになる取組みの3点であり、取組みを通じて、サービス利用者に向けた予防医療への新たな入り口を創造することを目的とした。
今回は「健診センター発 食を基点とした地域活性化への新たなアプローチ」として、当事業部の管理栄養士が監修し2年半で13万食以上を販売している「栄養はなまる弁当」の取り組み等について、企画立案およびマーケティング部門を担う視点から取り組みの概要をお示しするとともに、見えてきた課題や新事業のヒント、今後の展望について報告する。