2023 年 4 巻 3 号 p. 245-253
現在,日本の水道では年間2万件を超える漏水・破損事故が発生している.上水道管の漏水は,地上に流れ出す地上漏水と,地上には流れ出さず地下で流れている地下漏水の2種類に大別できる.地上漏水は人目に触れることから発見しやすいものの,地下漏水は漏水の状況を直接目視で確認できないため,早期発見のための技術開発が求められている.そこで本研究では,現在普及が進んでいるスマートメータを活用した水道管路のモニタリングを想定し,管網端部の水圧情報を使用した漏水位置予測に関する検討を行った.漏水シナリオや機械学習手法の異なる6つのモデルを構築し,その予測精度を比較した.水圧変化率,水圧変化量,管種情報を説明変数とし,LightGBMに基づき構築した漏水予測モデルが最も良好な結果を示した.