2023 年 4 巻 3 号 p. 353-360
本研究では,自動車の急減速挙動において生じる前後加速度に着目し,安全性の評価指標としてヒヤリハット率を定義した上で,区画道路の構成パターンが走行挙動に与える影響を明らかにした.結果として,リンク長は長い方が安全性を高めること,また,区画道路の構成パターンは基本的に危険性を孕むが,自動車のトリップの特徴や地域の区画道路の構成パターンの混合割合によって,その危険性の影響は左右されることが分かった.また,クルドサック型とループ型はその特殊な形状により通過交通を排除し,そのリンクに接続する家の住民しか基本的に通行しないため,ヒヤリハット率増加を抑制する効果を発揮する比較的安全性が高い構成パターンであることを定量的に示唆した.