2023 年 4 巻 3 号 p. 596-601
建設現場の施工状況を示す指標の1つとして,クレーンによる資材運搬状況(荷揚げ/荷卸し位置,運搬距離・時間,資材重量)が考えられる.運搬時間と資材重量はクレーンフックに吊り下げた重量計の経時記録から数値データとして取得することができる.しかし,運搬物の平面位置や運搬距離は運搬物の平面位置を計測する必要がある.運搬物の平面位置を簡易かつ安価に取得する手法として,写真測量技術を用いた手法があるが,建設現場には用地境界や起伏,既設構造物等,撮影の支障となるものが多く,最適な位置,アングルから複数の画像を撮影することは難しい.本稿では,使用するクレーンを定置式水平ジブクレーン(後述)に限定,クレーン特有の運搬メカニズムの特異性に着目し,単一画像でクレーン運搬物の平面位置の解析を試みたものである.