2023 年 4 巻 3 号 p. 611-618
安全性や施工品質の観点から,複数作業員の動作が連動しないことは望ましくない.我々は以前に,建設現場の映像から作業員間の連動性を評価する手法を提案した.具体的には,OpenPoseに基づく動作データに対してDTW距離を求めた.これにより,作業員同士が互いに意識して作業を実施できているかの定量的な評価が可能となった一方で,主体と従属の関係を評価可能とするには至っていない.主体と従属の関係が想定とは異なる状況は安全性や品質の観点で望ましくない.本稿では,DTWにより求まるアライメントの結果について,対応付けされた要素の時間の差に着目した指標を算出することで,主体と従属の関係性評価を可能とする.本手法により作業の主体と従属の関係性を評価可能とすることで,建設現場の事故リスクの低減や施工品質の確保に繋がることを期待する.