2023 年 4 巻 3 号 p. 646-655
観光振興の発展により,国内外の観光客数は急激に増加している.観光客数の増加による観光公害等の国際的な課題の解決には,観光実態を把握し適切にマネジメントする必要がある.そこで本稿では沖縄県八重山地域を対象とし,中国・香港・台湾からのクルーズ船及び航空機利用客の観光行動と出発地で取得される観光情報との関係を分析した.具体的にはIoTデバイスを用いた観光流動調査より国・一次交通手段別の訪問率や滞在時間等の行動特性を明らかにした.観光情報の取得は現地のGoogle及びBaiduからHPとブログのテキスト分析を行い,観光地名称の頻度分析を行った.両分析結果を合わせる事でwebに多く取り上げられる事が訪問率や滞在時間の上昇に繋がるが,島嶼地域ではその効果は小さい事,また航空機客の方がweb情報の影響を受ける傾向が強い事が示された.