2023 年 4 巻 3 号 p. 677-685
大量に蓄積されたデータから予測のための複数のモデル候補を評価し,基準に基づいて適切なモデルを選ぶことは重要な課題であり,モデル選択と呼ばれている.本研究ではモデル選択のための指標としてEvidence, Laplace近似,AIC,BICを取り上げ,多項式およ日1次元の空間分布を対象に100個の模擬データを用いた数値実験を行い,正しいモデルが選択される比率について検討を行った.ノイズレベルあるいは確率場の第2成分の標準偏差が小さい場合はどの指標を用いても正しくモデルが選択されるが,大きくすると正しくモデル選択される比率は小さくなり,Evidenceの方がAICやBICよりも安定的であることを示した.さらに地盤物性値の実測データを対象にEvidence, AICやBICを用いた自己相関関数のモデル選択の例を示した.