AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
背景増強訓練による橋梁複数損傷セグメンテーションの検証と3D損傷モデル
藤嶋 斗南党 紀全 邦釘
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2023 年 4 巻 3 号 p. 705-714

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抄録

老朽化し続ける橋梁点検では目視が基本とされているが,現在では建設業に関わる種々の問題より,点検作業の効率化,合理化,安全性,内容の客観性維持が求められている.AIやUAVを活用した点検手法はこれらの問題を解決することが社会的に大きく期待され,近年では多くの研究が行われている.本研究では,ピクセルレベルの複数損傷の認識について,従来手法での背景や非損傷部の誤認識や教師データに類似データが少ないことで発生する検出不足問題に着目し,誤認識や検出不足を大幅に抑える方法を実践した.点検調書画像のみを用いて訓練されたDeepLabv3+モデルと現地画像を含めた背景増強訓練を行ったモデルの損傷検出結果を比較したところ,UAV画像から橋梁の特徴や橋梁周辺の情報を学習することで,損傷を検出する精度が向上するという結果が示された.その後,損傷検出が実施された画像を用いて3D損傷モデルを作成することで,3Dモデルの新たな活用方法の提案を行った.

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© 2023 公益社団法人 土木学会
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