2023 年 4 巻 3 号 p. 747-756
橋梁等の社会インフラは自然災害の影響化にあることから,劣化速度の加速が生じることが予想されるため,効率的な点検手法の確立が必要である.土木分野においても,CNNを適用する手法が有効性の高い点検手法として注目され,既往の研究において,福島県の道路橋点検結果の状況写真をトレーニングデータとするコンクリート橋の変状検出器となる学習モデルを構築し,実用上の分類精度を有することが報告されている.このことから,本研究では新たに追加した地区と既往の研究による各地区のトレーニングデータを統合して拡充した2地区統合学習モデルを構築することによって分類精度向上の可能性を調査した.その結果,2地区統合学習モデルは1地区学習モデルと比較し,鉄筋露出の分類精度は8ポイントの向上,総合精度は4ポイントの向上が見られた.