2023 年 4 巻 3 号 p. 882-889
我が国では,東北地方太平洋沖地震や熊本地震などの大規模地震によって,物資不足に陥るケースが多数存在する.また,このような状況では乳幼児,高齢者,障がい者等の災害時要配慮者にとって,健常者と比較して精神的及び身体的負担が大きくなることが十分に考えられる.本研究では,災害時要配慮者の中でも特に自己判断能力に乏しく,第三者による支援が必須である乳幼児に着目し,乳幼児を持つ家庭の災害意識及び家庭内の乳幼児向け物資の存在量を把握することを目的とする.本研究では,金沢市内の幼稚園,保育園,子ども園の内,許可を得た11園に通う乳幼児の保護者を対象としたアンケート調査を実施した.本分析を通して,乳幼児を持つ家庭の災害意識について明らかにし,また,家庭内に存在する物資が外部からの支援が届き始めるとされている3日分に達しているのか評価を行った.