2023 年 4 巻 3 号 p. 890-896
我が国では高経年橋梁の増加により,既設橋梁の維持管理が重視されている.定期的に橋梁が所在する現場に出向き,点検技術者による目視点検で橋梁の損傷状態を確実に把握,記録する.しかし,目視点検では複数人で同じ箇所を点検しても,点検者の経験による点検結果のばらつきがあることが指摘されている.また,海外の開発途上国では維持管理部門は重視されておらず,橋梁点検者の人数,経験と能力が不足している実情がある.世界中ではインフラ分野のDX推進に伴って,維持管理人材育成においてもBIM/CIMによる高度化,効率化,低コスト化が期待されている.本研究では,SfM手法で3Dモデルを作成し,中国の大学生を対象として,教育,アンケートおよび考察等を実施し,海外維持管理人材育成手法の検討を行った.その結果,手法が有効であることが示された.