2023 年 4 巻 3 号 p. 997-1004
発展途上国である東ティモール民主共和国では,斜面崩壊が多数発生し,道路容量が低下し,都市部・地方間のアクセシビリティが著しく低下するケースが非常に多い.さらに復旧には膨大な時間を要し,道路容量が改善されない現状がある.実際に筆者らが行ったアンケートによって,多くの国民が道路容量の低下に対して不満を抱いており,可能な限り早く復旧してほしいと考えていることが明らかになった.本研究では,東ティモール民主共和国の国民を対象に,斜面崩壊の復旧に対する支払意志額について生存分析を行った.本研究における分析を通して,復旧期間ごとの支払意志額の違いを明らかにし,支払意志額モデルにより,不満度が支払意志額に影響を与えることが明らかになった.