2024 年 5 巻 1 号 p. 126-133
仮想空間上に実現象を再現するデジタルツイン技術が土木工学の各分野で重要となっている.特に長大な自然公物である河川の将来予測においては,自動処理できる情報の多寡が技術者減少の中でも持続可能なインフラメンテナンスを実現するうえで重要である.本稿では,河道内の中長期的なモニタリングや動向予測に用いられる河床変動解析を一例に,デジタルツインの実現に向けて開発したモジュールの実証を実施した.実現場の適用例として,3D地形データを含む釜無川の各種河川データを活用して自動取得・変換・分析・配信のモジュールを実証した.モジュールは技術の進歩に応じてカスタマイズ,入れ替えても動作可能なものであり,将来にわたってデータ処理の自動化に寄与することが特徴である.