2024 年 5 巻 1 号 p. 212-221
各種センサによって得られるデータを用いたAIによる空間分析が行われている.AIによる空間分析の効果を最大にするには,複数センサの配置や設置角度,数量などを事前に見積もる必要がある.この方法として,従来手法では,物体検出結果に基づく評価関数を用いた反復深化探索によりカメラ配置条件を探索した.しかし,探索領域が限定されるため,局所最適解に陥る場合があることが課題であった.そこで本稿では,遺伝的アルゴリズムに基づくカメラ配置条件の探索手法を提案する.具体的には,従来手法で得られた解を初期解とし,選択,交叉,および突然変異を繰り返し,カメラ配置条件の探索を行う.これによって,従来手法に比して探索領域が広く,局所最適解に陥りにくい手法を実現する.本論文では実験により,提案手法の有効性を確認する.