2024 年 5 巻 3 号 p. 22-32
近年,経済状況をリアルタイムに把握するために,従来の伝統的な統計データに加えて,非伝統的なオルタナティブデータを活用する動きが広がっている.本稿では,建築看板に掲載されている予定工期や延床面積等の情報を活用して,我が国の民間建築の活動状況を推計する手法を開発した.2016年から2023年にかけて民間建築活動指数を試算したところ,経済産業省がかつて作成・公表していた建設業活動指数に類似した動きを示すことを確認した.この結果は,①同指数は季節性を概ね的確に捉えているほか,COVID-19の流行局面及び足元における建設活動の下振れを描写しており,活動実体の月次指標として有用であること,②建築看板が建築確認申請前に設置されることに鑑みれば,同指数によって民間建築活動状況がリアルタイムに把握可能となることを示唆している.