2024 年 5 巻 3 号 p. 253-261
本研究では,福井県が管理する橋梁の中から,コンクリート橋の塩害,ASR および凍害(早期劣化橋梁)を対象として,2 巡目までの定期点検結果から,早期劣化橋梁の健全度がどのように推移したのかを調べ た.その結果,健全度がⅡからⅢへ低下した橋梁のうち,ASR 劣化橋梁の占める割合が高かった.また,この早期劣化橋梁を効率的に今後管理していくため,早期劣化橋梁の劣化予測を行う際の影響因子を機械学習により分析した.その結果,それぞれの劣化予測に及ぼす地理条件や環境条件などの影響因子となる説明変数を明らかにすることができた.とくに,ASR 劣化では,反応性骨材を供給する河川と関係が示唆されていることから,本研究では主要河川との距離を説明変数として考慮した.