2024 年 5 巻 3 号 p. 394-402
近年,全国道路施設点検データベースに代表される各種データプラットフォームの整備により,複数地域のインフラ施設データを用いた解析が実施しやすい環境が整いつつある.本研究では,複数地方で運用中の橋梁維持管理システムに蓄積された橋梁点検データを分析し,その劣化傾向を整理するとともに,各道路管理者が汎用的に利用可能なリスク評価指標として,劣化の範囲や進行度を考慮した指標を検討した.リスク指標を用いて橋梁群の劣化状態を評価することにより,地域共通の劣化傾向や健全性の判定区分ごとの劣化傾向の差異を整理すると共に,リスク指標を診断に活用する際のユースケースを検討した.