2024 年 5 巻 3 号 p. 382-393
社会インフラの多くは老朽化を迎えており,既存の構造物の維持管理や長寿命化は社会的な課題である.既存の構造物を長期的に活用するために,AI による損傷評価の効率化が期待される.高性能な深層学習モ デルを構築するためには,膨大なデータの収集とクラスラベルを付与するアノテーションが必要であり, その効率化が課題である.本論文では,コンクリート構造物のひび割れ検出および領域分割の問題に, Ganomaly,PaDiM,PatchCore,FastFlow およびEfficientAD の 5 つの異常検知モデルを適用し,少量の正常データのみを用いてモデルを構築する方法を提案する.実験により,各モデルのひび割れ検出および領域分割への有効性を示す.また,異常検知モデルの限界と実用に向けた課題を明らかにし,対策を述べる.