2024 年 5 巻 3 号 p. 526-541
Physics informed neural networks (PINNs)は従来の教師データのみでの学習と比較し,教師データの削減やモデルの予測性能の向上が期待されている手法である.本研究では,工学問題への適用を見据え,任意の不確実パラメータ,設計パラメータに対して応答を出力可能なパラメトリックPINNsを対象とした検討を実施した.パラメータの入力層の位置については,出力層に近づくに従い,予測性能の悪化が確認された.また,対象とした二次元円孔板問題においては,入力パラメータ数に関わらず,導入した3種類のエンコーディング手法のうちrandom Fourier featuresが最も良い性能を示した.本検討の結果,パラメータに関するエンコーディング手法は,パラメータの変化に対する応答の複雑程度に応じた設定により,効果的な学習が可能であることが示された.