2024 年 5 巻 3 号 p. 557-562
エコツーリズムには,参加者の体力に見合わないツアーへの参加による事故やオーバーツーリズム等の課題を有する.エコツアールート登山道のデジタルアーカイブ化は,登山道の難所情報の可視化による事故防止,定量的かつ継続的なモニタリングに有用であると考えられる.そこで本研究では,LiDARを用いて西表島クーラの滝への登山道を計測し,5m区間毎の高さの最小値と最小からの85パーセンタイル値の差分の算出結果により難所を選出した.また,2時期の地面の差分算出及び可視化を行い,0.15m程度の倒木等の変化を明らかにした.登山道デジタルアーカイブへLiDARを適用することで,難所選出,自然環境モニタリング調査の一次スクリーニングが可能であることが示された.