2024 年 5 巻 3 号 p. 563-571
本論文は,従来の数値解析手法による氾濫域予測の代替モデルとして,深層学習を用いた浸水域予測に,次元圧縮技術を適用する手法を提案するものである.次元圧縮手法には,特異値分解(SVD),非負値行 列因子展開(NMF),オートエンコーダー(AE)を採用した.提案手法を荒川の浸水予測シミュレーションに適用し,リアルタイム性の向上と精度の観点から,妥当性と有効性の検討を行った.その結果,提案手法は計算時間を大幅に短縮できるともに精度も維持できることを確認した.また,採用した三つの次元圧縮手法の中ではSVDが最も有効であることを確認した.