2024 年 5 巻 3 号 p. 823-833
安全かつ円滑な道路供用のためには,道路情報板を含む道路附属構造物の異常を適切に見つける必要がある.本研究ではF型支柱で支持された道路情報板を対象に1年間の加速度計測を行い,道路情報板の固有振動数がどの様に変動するかを調べた.その結果,健全時においても温度変化によって固有振動数が変動し,異常の検知性能に影響を与える可能性が明らかとなった.温度による固有振動数の変化を抑制するため,単回帰分析を用いた温度補正を実施したところ一定の改善が見られた.続いて道路情報板の固有振動数の変化を検知する方法として,マン・ホイットニーのU検定で用いられるZ値の累積分布関数に着目した手法を試行した.本手法により,疑似的に与えた0.01Hzの変化を95%の正解率で検知できる可能性を示した.