2025 年 6 巻 1 号 p. 233-244
現在,全国の橋梁の老朽化が深刻であり,国土交通省により継続的かつ効率的な維持管理が推進されている.そのため,手持ちサイズの LiDAR や Web カメラを搭載して SLAM により点群データを生成する技術の活用が期待されている.そこで,著者らは簡易に計測可能な LiDAR と Web カメラを搭載した SLAM型の計測ユニットを試作し,維持管理への活用が可能か検証した.その結果,得られた点群データには誤差を含むノイズが含まれており,そのままでは正確な橋梁の部位の寸法の把握が困難であることがわかった.そこで,本研究では,計測ユニットによる計測時や点群データの生成時に誤差となる要因を調査し,橋梁の維持管理に適した手法に必要な要件を整理した.