2025 年 6 巻 1 号 p. 312-322
道路管理者は,道路舗装の損傷状況を把握するため目視点検や路面性状調査を実施している.しかし,人手不足や費用面の課題がある.解決策として,車載カメラの画像と深層学習を用いたわだち掘れ検出手法が開発されている.著者らもドライブレコーダの動画像と画像領域分割を用いたわだち掘れ検出手法を考案しており,既存研究ではわだち掘れが道路の縦断方向に発生する特徴を考慮することで誤検出の軽減に成功した.一方,動画像へのわだち掘れの映り込みは走行速度に依存するため,一定速度での走行が前提となり,粗い路面の誤検出や検出漏れの課題があった.
本研究では,走行速度を考慮したわだち掘れの検出結果の補正手法を考案した.そして,実証実験の結果,既存研究の課題が改善されることを確認した.