2025 年 6 巻 2 号 p. 108-119
日本の橋梁老朽化が進む中,北海道では約2万橋が市町村により管理されており,限られた人員・予算の中での維持管理が求められている.本研究では,地理情報システムを活用し,北海道市町村が管理する橋梁の点検データから劣化傾向の空間的な分析を行い,地理的,環境的,社会的条件が健全性に与える影響を明らかにすることを目的とした.分析の結果,架設年度,道路管理市町村,上部工(使用材料)が主な劣化要因であり,橋種毎に異なる劣化傾向が確認された.特にRC橋は,市町村の財政力や職員数といった橋梁管理能力が劣化に与える影響が大きいことが示された.RC橋は小規模で使用頻度の低いものが多いために,維持管理が逼迫した市町村においては修繕や管理が行き届いていない傾向がある可能性がある.