2025 年 6 巻 3 号 p. 1148-1158
鉄筋コンクリート構造物の非破壊検査手法である打音検査の自動化に向け,機械学習の適用が試みられている.しかし,先行研究の多くは実構造物の内部欠陥と直接照合されたものではない.本研究では,電食によって実際の腐食に近いひび割れを再現した大型供試体を対象に打音データを採取し,3 種類のオートエンコーダによる教師なし異常検知を適用した.熟練技術者の判定およびコンクリートコア採取による欠陥情報と比較検証した結果,連続ウェーブレット変換により重大な深部欠陥を識別できる可能性が示唆された.さらに,本手法はハイパーパラメータの厳密な調整を必要とせず,熟練技術者によるラベル付けがなくても,高精度な異常検知が可能であり,診断作業の効率化に寄与することが期待される.