2025 年 6 巻 3 号 p. 183-195
我が国では老朽化したインフラ構造物の増加に伴い,適切な維持管理が求められている.道路構造物では5年に一度の点検が義務付けられており,損傷の状態や構造物の評価を所見として記録する必要がある.しかし所見作成は高度な専門知識を要する作業であり,人手不足や技術的な負担が課題となっている.近年,点検の標準化・効率化を目的として,AI技術を活用した自動化の試みが進められている.本研究では,画像言語モデルと大規模言語モデルを用いて,点検時に撮影された画像から所見,問題点,原因,補修方法を含む所見文を生成するシステムの構築を試みた.その結果,画像言語モデルによるキャプション生成のプロセスにおける損傷種別の判別精度が8割程となり,生成されたキャプションに基づく所見文の自動生成も可能であることを確認した.