2025 年 6 巻 3 号 p. 255-265
モモ果実の品質保証の観点から,渋味の非破壊評価法の確立が求められている.本研究では,蛍光分光法と次元削減手法を組み合わせ,モモ果実の渋味を分類するスクリーニング手法の構築を目的とした.モモ果皮表面の励起蛍光マトリクス (EEM)の測定,および渋味に関連する成分含量の計測を行った.得られたEEMデータに対して,主成分分析 (PCA)やt分布型確率的近傍埋め込み法 (t-SNE)による次元削減を行い,各特徴量を入力としたサポートベクターマシン (SVM)を用いて渋味の分類モデルを構築した.その結果,全ての品種を一括で用いた分類モデルでは50–70%台の全体精度となり,品種ごとにデータを分割して構築したモデルでは,いずれの品種においても80%以上の全体精度が得られた.以上より,蛍光分光法によるモモ果実における品種別の渋味スクリーニングの可能性が示唆された.