2025 年 6 巻 3 号 p. 316-323
近年注目を集める物理情報を導入した深層学習モデル(PINN)は,観測値がない地点でも物理法則と近隣の観測値を用いれば,良好な再現計算が可能である.しかし,農業水利施設の排水路の流況を対象にPINNを適用するためには,水路の合流を考慮する必要がある.そこで,水路の合流情報を表現可能なグラフ埋め込み機能をPINNに導入すること(GPINN)で,水路の合流点の流況を計算可能にする.人工的に生成された複数の洪水事象の流況(水深・流速)をGPINNで再現計算した結果は,事象によって再現性の課題はあるものの,良好な結果が得られたケースでは,合流点の水深変化を概ね再現することができた.