2025 年 6 巻 3 号 p. 359-366
近年,コンクリート構造物の塩化物イオン濃度等を効率的に評価可能な手法として,近赤外分光法を用いた手法が注目されている.既往の研究では,特定波長の吸光度を用いた回帰による推定が主に行われていた.本研究では,近赤外分光法による塩化物イオン濃度等の推定に対する汎用的な手法の確立を目的として,ケモメトリクスを用いて吸光度スペクトル全領域のデータを使用して回帰し推定する手法に関する基礎的な検討を行った.具体的には,ケモメトリクスでの一般的なデータ前処理方法と,主成分回帰の適用性および,各種前処理パラメータ等が推定精度に与える影響を検証した.検証の結果,複数の主成分スコアを用いて高精度での推定が可能であり,また前処理パラメータが推定精度に与える影響は大きく,適切に最適な変数を導く必要があると分かった.