2025 年 6 巻 3 号 p. 348-358
本論文は,国土地理院の航空写真を用いた深層学習ベースのセマンティックセグメンテーションにより土地利用分類モデルを構築し,津波シミュレーションへの適用を通じてその有効性を検証したものである.従来の土地利用細分メッシュ(100m解像度)に比べて,約30cmの高解像度データを自動生成することで,水害シミュレーションや都市開発における土地利用情報の高度かつ効率的な活用を目的とした.分類精度の向上のため,PSPNetにAttention機構を導入し,クラス不均衡問題への対応を図った結果,従来手法を上回る分類性能を実現した.また,未学習データの2地域における汎化性能評価により,異なる地域特性に対するモデルの汎化性能を検証した.さらに,本手法を津波シミュレーションに適用し,従来の目視判読に基づく手法と比較して処理効率を大幅に向上させ,津波遡上解析における水際線の予測精度においても正解ラベルと同等であることを示した.