2025 年 6 巻 3 号 p. 393-405
少子高齢化に伴う技術者不足が進行していることから,高速道路の維持管理業務ではAIによる点検支援の実現が急務である.従来のAIを用いた道路附属物や植生等の異常検出においては,対象ごとに個別のモデルを構築することが一般的である.しかしながら,検出対象の異常は多岐に渡るため,その全てに対して個別にモデルを構築・運用することは実用上大きな制約となる.そこで本研究では,道路附属物や植生を対象とする高速道路上の複数の異常を単一モデルで検出することを目指し,Multimodal Large Language Modelを車載カメラ映像からの異常検出に適用することで,複数種類の異常を対象とした検出方法の実現可能性を検証する.本稿の最後では,東日本高速道路株式会社が保有する車載カメラ映像を用いた異常検出の精度の検証を行う.