2025 年 6 巻 3 号 p. 380-392
本稿では,道路情報に関するオペレータ業務の補助を目的として,通報音声から道路に関する事象が発生している地点を予測する手法を提案する.通報への対応を行うオペレータは,通報者から口頭で伝達される情報と管理地域の地理情報を照らし合わせることで,事象の発生地点を特定することが求められる.本業務の補助として,通報音声から地点の特定を行う手法を構築することで,オペレータの負担軽減および業務効率改善が期待される.本研究では,リアルタイム性を考慮した音声認識や通話内容の要約保持技術を構築する.このとき,地点予測に必要となる地名データを学習するために,音声認識モデルのfine-tuningを行うことで,大規模言語モデルに基づく地点の予測を行う.また,実際の業務において取得された通報音声を用いた実験を行うことで,提案手法の有効性の検証を行う.