2025 年 6 巻 3 号 p. 435-442
本研究では,高速道路における交通事故リスク予測の高度化を目的として,ETC2.0 プローブデータによ る車両軌跡図と気象データを統合した AI モデルを構築し,特に風速および風向の事故リスクへの影響を定量的に評価した.対象は東名高速道路の一部区間とし,2020~2021 年の交通事故,交通流,気象データを用いて風の成分別(向風・追風・横風)の事故リスクを分析した結果,横風では施設接触・横転事故,向風・追風では追突事故など特定の事故形態との関連性が示唆された.構築した深層学習モデルに気象変 数を追加することで,予測精度はベースラインモデル(F 値 0.195)に比べ最大 0.241 まで向上した.これにより,風の影響を考慮することで実用的かつ説明性のある事故リスク予測が可能となることが示された.