2025 年 6 巻 3 号 p. 529-537
我が国における環境,交通,健康増進等の課題への対応や,「コンパクト+ネットワーク」の考え方にもとづく公共交通優先のまちづくりにおいては「シェアサイクル」の役割が期待されており,大都市圏はもとより,地方都市においても徐々に実装されつつある.一方,地方都市においては都市機能の郊外化や自動車移動依存が進んでおり,かつシェアサイクルの実装を考える際には需要が十分なのか,また規模やポート配置をどのように行えばよいのかといったことに対する目安がないため,実装が進みづらい実態があると考えられる.本研究では,複数の地方都市におけるシェアサイクルの利用実績データと全国画一で入手可能なオープンデータを用いて精度の高い需要予測モデルを構築する手法を提案し,さらにこのモデルをシェアサイクルが未実装である全国の市町にあてはめることで,シェアサイクルの適切な規模や配置を提案するとともに潜在需要を明らかにする.これにより,シェアサイクルの普及促進にかかる意思決定や都市交通の改善に貢献することを目指す.