2025 年 6 巻 3 号 p. 624-631
建築分野において,各種業務の効率化や高度化を目的として,人工知能 AI の研究及び活用が推進されている.本論は,AI の適用範囲を木造建築に限定し,AI 活用の現状と課題,そして展望について論じるものである.まず,AI が意匠・構造設計支援,施工ロボットの制御,点群解析による維持管理,文化財の 3D 復元や材料分析に利用されている現状を述べた.次に,データ不足・ブラックボックス性・倫理・専門家との役割分担といった技術的・社会的課題を指摘し,解釈可能 AI や制度整備の必要性を考察した.最後に,今後はデータ共有,AI と人間の協働,国際的な標準化と倫理的枠組みの構築が求められると結論づけている.