2025 年 6 巻 3 号 p. 632-642
従来,石垣の図化は 2 次元的な図面や写真に依存し,3 次元的な情報の欠落や作業の属人性,膨大な労力が課題であった.本研究では,文化財石垣の現況や構造を体系的に記録・管理する石垣カルテの作成作業を効率化することを目的とし,SfM-MVS により生成された高密度な 3 次元メッシュモデルから石垣の線画を作成する手法を提案した.3 次元モデルのテクスチャ画像を対象に,Segment Anything Model(SAM)を用いて石垣ごとの領域を自動的にセグメンテーションし,境界情報を抽出して DXF 形式で出力した.精度検証として,名古屋城の一部領域で手動による境界線との比較を行った結果,Precision 0.90,Recall 0.79を達成し,高い精度でそれぞれの石垣がセグメンテーションできていることが確認された.