2025 年 6 巻 3 号 p. 925-938
地域防災計画は,国の防災基本計画に準じて毎年改定されているが,その作業は多大な労力を要する.近年,自然言語処理技術を用いて,記述の不備や検討不足の箇所等を抽出する手法が提案されているものの,それらの自動抽出は十分な精度で実現されていない.本研究では,与えられた文書情報に基づいて回答を生成するRetrieval-Augmented Generation(RAG)に着目し,地域防災計画の記述内容に則した回答の生成を目指した.そのために,計画の構造に則したチャンキング手法を新たに設計し,RAGモデルを構築した.実験の結果,考案手法は既存のチャンキングと比較して,検索精度および回答生成精度の双方において優れた性能を示し,地域防災計画の改定作業に有効であることが示唆された.