2026 年 7 巻 1 号 p. 209-220
本研究の目的は,気候変動で激甚化が予想される水害を想定し,浸水に脆弱な地下空間を有する都市部の氾濫を可視化できるコンテンツを作成し,水害の自分事化や自主的な早期避難の促進を図ることである.気候変動による水害が激甚化しており,特に水害に脆弱な地下空間の浸水は人的被害や都市機能麻痺の要因となる.本研究では,広い地下空間を有する札幌市の中心部を流れる豊平川中流域左岸部の氾濫シミュレーション結果と3D仮想空間を統合し,それに伴う地上及び地下空間の浸水を表現するデジタルツインを作成した.3D仮想空間の作成には,基盤地図情報,PLATEAUを用いた.また,iRIC Nays2DFlood による氾濫シミュレーションに基づき,d4PDFから得られた現在気候最大流量時の破堤を想定した地上浸水深を算出して,地下空間への流入量を推定し,浸水状況を可視化した.