オレオサイエンス
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特集総説論文
ゲラニルゲラニオールの作用と最近の話題
白川 仁何 欣蓉駒井 三千夫
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2018 年 18 巻 3 号 p. 99-106

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抄録

ゲラニルゲラニオール(GGOH)はメバロン酸経路やデオキシキシルロースリン酸経路から生成される天然のイソプレノイドである。動物細胞内で,GGOHはゲラニルゲラニル二リン酸へと変換され,タンパク質のプレニル化修飾やUBIAD1によるビタミンK2生成の基質として利用される。プレニル化タンパク質は,ヒトにおいて300種以上知られているが,プレニル基を介して膜に局在し,細胞増殖,分化,細胞骨格機能,小胞輸送に関与するシグナル伝達と関わっており,この制御破綻は,さまざまな疾病と関連している。一方,プレニル化に関与しない作用も報告されている。本レビューでは,GGOHのヒトや実験動物における作用と筆者らの結果も含めたGGOHに関する最近の知見をまとめた。

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