2022 年 1 巻 1 号 p. 356-362
下水道の普及に伴って,管路施設ストックは増加傾向にも関わらず,人口減少による下水道収入の減少及び下水道維持管理に関わる自治体職員数の減少など,厳しい社会的課題がある.また,標準耐用年数の50年を経過する下水道管渠が今後増加していくことに伴い,それらに対する修繕・改築といった老朽化対策の要否を判断するために行う詳細調査のニーズが高まることが予想されているが,現場では調査・診断業務を行う熟練技術者の不足等が大きな課題となっている.
そこで,展開図化式テレビカメラ調査の効率化を実現するソフトウェアを開発した.本ソフトウェアはAIを活用し継手や取付管について90%以上の性能で自動検出ができるようになった.また,展開図作成,損傷判定,報告書作成までワンストップで業務を完結でき,大幅な作業時間の短縮を実現することが可能となった.