2022 年 1 巻 1 号 p. 461-470
架橋環境が耐久性に与える影響を明らかにするために,直轄橋梁の内2019年度までに点検が行われたコンクリート上部工を有する橋梁に対し,最も新しい点検データ(計18,300橋)を用いマクロ的分析による評価を行い,塩害・凍害・アルカリ骨材反応の被害状況と,既往の環境調査等との比較を行った.それによると塩害は海岸線から500mまでの地域で,凍害は北日本の日本海側の特に最低気温が-5℃以下の地域で,ASRは九州北部と沖縄県で多く発生していることが明らかとなった.併せて,各都道府県が管理する橋梁群が抱える,耐久性に関する被害程度の差を相対的に比較できる指標を提案した.